仙台市長 奥山 恵美子

http://www.city.sendai.jp/seicho/chosei/syosinhyoumei.html
仙台市 就任挨拶並びに所信表明要旨

 私は、毛利元就の三本の矢の教えにもありますように、今こそ、市民・議会・行政の三者が共に支え合い、そして力を合わせ、自ら絞り出した創意と工夫で「東北の力を結集し、東北の発展を先導する、国際的にも存在感のある、個性あふれる仙台」を築き上げてまいりたいと考えています。

 そのためには、これまでの経緯にとらわれず、今後の社会や都市の変化、人口動態、そして仙台という街が育んできた特性などを見据えた新たな視点で、現在の事業を見直し、新しい施策体系を組み立てることが極めて重要となります。

 現在、建設を進めている地下鉄東西線は、本市の次世代の大動脈として西の広大な大学キャンパスと東の流通・産業ゾーンや豊かな田園とを、中心部商店街等を経て直結させます。さらに、既存の鉄軌道との連絡や新たに拡充される高速道路網との結節等によって、東北各都市との時間と距離とをさらに短縮し、域内の交流密度を高めることが大いに期待されます。東西線は、本市全域にわたる都市機能の向上はもとより、東北各地の素材・人材と仙台の学都の頭脳、商都の集積、文化のクリエイティブな力を結びつけるという、単なる移動手段を超えた、いわば「走る情報連結装置」として機能させていく必要があります。それぞれの地域の特色を生かした沿線開発の推進力という大きな役割を担っていくべきであり、この機を捉えて、地域ごとの特性も踏まえた本市全体の総合的な交通体系の構築を進めていきたいと考えています。

 今、かつては、社会の中で、最も希望にあふれ、輝いていたはずの若い世代が、一転して、就職難や非正規雇用など、厳しい環境に追い込まれ、また、子育ての面でもさまざまな困難を抱えています。若い世代に対するきめ細かく迅速な支援が求められております。

 また、高齢者の増加に起因して、介護のみならず、地域団体の運営、地域交通や地域商店街の問題など、これまでの社会システムでは対応が困難な課題が顕著となっております。およそ七百八十八平方キロメートルにも及ぶ広大な市域を有する本市におきましては、課題の現れ方やその対応策の方向性はさまざまであり、その多様性にいかに対応するかということ自体が、正に急務の課題となっております。

 こうした難局を乗り越えていく上で、一地方自治体としての本市がさまざまな制約の中にある現状は改めて申し上げるまでもありませんが、一方で、仙台は幾つかのアドバンテージ、大きな強みを持っていると私は信じております。その一つは、都心の自然や歴史的遺産といった、磨けば光る固有の美点や隠されている魅力、何気なく見過ごされている可能性といったものが数多く存在するという事実であります。そうした足元の宝物をすくい上げ、街づくりに生かし、街の外にも発信すべく、組織的に取り組むことに力を注ぎたいと思います。

 また、仙台では、市民が歴史的に数々の市民運動やイベント等を立ち上げ、育て上げながら、直面する課題に果敢に取り組む卓越した能力を蓄えてきました。これもまた、仙台の強みの一つです。仙台の底力とも言うべき市民の力、「行動する市民力」を、さまざまな分野や場面で、街づくりをパワーアップする駆動力として高めていくことも極めて重要な作業の一つと考えています。

 このような認識に立ち、以下に私の考える街づくりの方向性をお示ししたいと思います。
 第一に、「市民とともにつくる街」であります。時代は、スピード感のある迅速な対応を求めております。これからの十年、二十年の確かな道しるべとなる都市像、そのための新たな視点、取り組むべき具体的な方向性等を求めて、現場感覚に富んだ英知を集め、早急に新総合計画の策定に着手してまいります。併せて、男女が共に個性と能力を発揮することができる男女共同参画社会の構築を進めるとともに、それぞれの地域が、自らの知恵と実行力で身近な課題の解決に取り組むことができるよう支援してまいります。

 第二に、「子どもと若者の未来を応援する街」であります。子どもたちが、変化の激しい社会にあって、自分らしくたくましく生き抜いていくことができるよう、学校教育の質的向上を図るとともに、幼児期から多くの社会体験や自然体験をする機会を充実してまいります。また、若者の健全な育成に取り組むとともに、東北一円そして全国から若者を惹きつけ、若者たちが日々躍動する街づくりを進めます。

 仕事と子育ての両立を支援するため、保育所の待機児童の解消や放課後の児童の健全な育成を図る体制づくり等を積極的に推進してまいります。

 第三に、「元気で住みよい街」であります。まず、景気の低迷に対処するため、緊急的に中小企業の資金繰りの円滑化を図るとともに、地域の雇用機会の創出に取り組みます。また、公共施設の維持補修の推進などによって地元企業の受注機会の拡大に努めるとともに、時代のニーズに応じた産業の育成を図ってまいります。

  仙台の雇用を支え、地域コミュニティの核ともなる商店街につきましては、魅力と集客力を向上することができるよう支援し、併せて、地産地消を推進するなど農林業の振興を図ってまいります。
 第四に、「安心して暮らせる街」であります。年齢や障害の有無に関わらず、安心して暮らせる街づくりを進めます。健康状態等に応じた高齢者の生活の場の確保を図るとともに、高齢者が地域で生き生きと暮らせる地域づくりを推進します。また、障害者の就業機会の拡大を目指すとともに、安心で自立した地域生活を支えてまいります。

  さらに、宮城県沖地震に備え、災害要援護者の支援体制を強化するなど、防災・減災の街づくりを進め、救急医療体制を充実し、市民生活の安心を確保してまいります。

 第五に、「魅力あふれる輝く街」であります。長年の歴史と文化に育まれてきた仙台の貴重な個性を、魅力ある学びのテーマとして磨き上げ、人々が充実した時間を過ごすことができる多彩で多層的な学びのフィールドの構築を進め、いわば仙台の街全体が学びのテーマパークとなる「ミュージアム都市構想」の推進に向けた検討を進めます。

  また、公共施設に太陽光発電システムを導入するなど、低炭素社会づくりを積極的に推進するとともに、地域や学校、NPO等と連携し、市民参加による環境教育・環境学習を進めてまいります。

 さて、私は、この間、「市役所の改革こそが、仙台の将来を明るいものにする最初の一歩である」と申し上げてきました。
  私は、時代の変化に対応した簡素で無駄のない施策体系の構築、悪しき横並びや縦割り等を排除した組織運営のさらなる効率化、多面的な能力と機動性を身につけた職員への進化、この三つを実現することが、長期的な観点での、仙台市の行財政改革の核心をなすものと信じており、これらを基軸として、仙台の未来を確かなものとする都市経営に邁進する決意でございます。

 最後になりますが、議員各位におかれましては、こうした私の意図するところをおくみ取りいただき、特段のご支援と多大なるご協力を賜りますよう、切にお願い申し上げ、就任に当たっての挨拶並びに所信の表明とさせていただきます。



平成21年9月7日 仙台市長 奥山 恵美子

×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。